頭皮のかゆみを伴う抜け毛の原因と治療法は?
一般的に抜け毛や薄毛はAGA(男性型脱毛症)によるものが多いですが、頭皮にかゆみを伴う場合はAGA以外の脱毛症かもしれません。
その理由はAGAによる抜け毛は脱毛以外の自覚症状がないからです。対して頭皮のかゆみを伴う脱毛症として該当するのが脂漏性脱毛症や粃糠性脱毛症です。
これらは発症のメカニズムがAGAとは全く異なるので、AGA治療薬や育毛剤などを用いても全く効果がありません。
治療をするためには、まず自分の脱毛症の種類を確認し、脱毛症の原因を分析する必要があります。
今回は頭皮のかゆみを伴う脱毛症の原因や治療方法について解説していきます。
頭皮のかゆみを伴う脱毛の原因
かゆみや炎症などの症状を伴う場合、いくつか該当する脱毛症があります。
またAGAは脱毛以外の自覚症状がないと言いましたが、それ以外にもAGAには以下の特徴があります。
- おでこの生え際が薄くなる、もしくは抜け落ちる
- 頭頂部が薄くなる、もしくは抜け落ちる
AGAは側頭部や後頭部に脱毛を起こすことは無いため、そのあたりから脱毛が起きている場合は他の脱毛症の疑いがあるでしょう。
ここからはAGAではなく、かゆみや炎症がある場合に考えられる脱毛症の種類を紹介していきます。
脂漏性脱毛症
皮脂の過剰分泌によってマラセチア菌が増殖することで引き起こされる脱毛症。
まず何らかの理由で皮脂が過剰分泌を起こし、それが原因で脂漏性皮膚炎になり、悪化するとその皮脂が毛穴につまり脱毛を起こす症状です。
頭皮のかゆみや炎症があり、脱毛が起きている場合は脂漏性脱毛症の可能性が高いでしょう。
粃糠(ひこう)性脱毛症
粃糠性脱毛症は頭にフケが多いことでかゆみが起こり、毛根が緩み髪が抜け落ちる脱毛症です。
頭皮の環境が悪化しフケが増えてしまうので、まずは自分に合ったシャンプーを用いて、頭皮の環境を清潔にしましょう。
フケが出やすい方はフケ取りシャンプーなどもあるので、それを使うことも視野に入れてみてくださいね。
円形脱毛症
10円玉くらいの大きさの脱毛が起こった場合、円形脱毛症かもしれません。
円形脱毛症の原因にはいくつか説があり、最も有力なのがストレスなどによって自己免疫が乱れることです。
実は円形脱毛症自体にはかゆみを伴うことはありません。しかし円形脱毛症が起こったときにかゆみを伴ったという声も多くあり、その原因は円形脱毛症ではなくストレスや脱毛症の回復の兆候によるものと考えられています。
そのため円形脱毛症によってかゆみが発症しているわけではなく、ストレスや円形脱毛症が回復する兆候でかゆみを発している可能性があります。
かゆみを伴う脱毛症の改善方法
まず、頭皮の過剰分泌によってもたらされる脂漏性脱毛症の場合は、その原因である脂漏性皮膚炎を治すことで改善が期待できます。
皮脂の過剰分泌の理由としては、以下の理由が挙げられます。
- 夏場で汗をかきやすく、頭皮の環境が悪化している
- 洗浄力の高すぎるシャンプーを使い、皮脂が必要以上に洗い流されている
「皮脂が必要以上に洗い流されているのに過剰分泌が起こるの?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。
これは必要以上に皮脂が洗い流されてしまったことで、頭皮を守ろうとするため流された以上に、皮脂の分泌を起こす現象です。
対策としては洗浄力の弱いアミノ酸系シャンプーを使ったり、生活習慣を見直すことが大切です。
とはいえそれだけでは完全に治すことは困難なので、皮膚科や専門クリニックにて診察を受けて正しい治療を行ってください。
そしてフケが原因で起こる粃糠性脱毛症の場合も、頭皮の環境を整えれば治る可能性は高いでしょう。
しかしフケが出る原因は人それぞれ異なるので、そこを突き止めてから治療に向かう必要があります。これも皮膚科や専門クリニックにて治療を行ってください。
円形脱毛症も皮膚科にて治療を受けることで改善可能です。そして早期であればあるほど効果的で短時間での回復が期待できます。
仮にしばらく放置してしまうと、脱毛部分が増えたり、頭部全体に脱毛が起こったりと治療が困難になってしまうので、すぐに皮膚科や病院にて診察を受けるようにしましょう。